2-15
7.月曜日の出来事
96年、12月。
「今度は“縦にめくる”本を造ろうよ」と、石田祐佳が 言う。
なるほど、それは面白いと、MARUMANのF6判ス ケッチブックが取り出される。
「で、どんなおはなし?」「そうねえ、今日はちょうど 月曜日だし…」
というので、「ゲツヨウビ」。じつにてきとうである。
このおはなし、石田はある程度、先の展開を見込んで始 めたのだが、合作者の中島が、その思惑をぶちこわすよう なシーンを描いてしまったため、一時、作業が中断した。 詳しくは書かないが、それを乗り越えるアイデアをひねり 出して、描き終えることができた。それもまあ、やっぱり てきとうなアイデアだったのだが。
大変だったのが、ペンネーム。2人の本名をアナグラム にして、かつ笑える名前を作ろうと、何日もかかって考え た。じつはおはなしを作るより、こちらのほうがよっぽど 時間がかかったのだった…。
|
|
2-16
<↑ペンネームの候補のひとつ、「赤胴純一」。
石田祐佳による想像図。>
|