2-19
10.ぐるりぐるり
 当時、たまだまさおの作りかけていた8ミリフィルム作品
に、後ろ姿だけの少女のキャラクターが登場していた。フィ
ルムはついぞ完成しなかったが、そのイメージが派生して、
印象的なアイデアスケッチがいくつか生まれた。  それらのスケッチをふくらませて、1冊の豆絵本として、
中島陽一と共に合作したのがこの作品である。  MARUMANの小さなスケッチブックに、ロットリング
社のアートペン、その他手近に転がっているボールペン等を
適当に使用。96年11月から97年2月にかけて、相原町
に住むたまだと、取手市の中島とが、計3回、交互に部屋を
訪ね合って描き上げた。  無作為に描かれた76ページ分の原画を、1枚も取りこぼ
さず、すべて1冊に押し込んでしまったため、これまでにな
く分厚い本になった。  思えば2人は高校時代からずっと、一緒に作品を創ろう
と画策してきたが、これが初の完成作品となった。
 
2-20
 
 第8作「ぐるり」は、このように、遠距離にもめげず、
妙な高揚感を保ちながら、完成までこぎつけることができ
た幸運な1冊である。

<↑たまだまさおによる
大量のアイデアスケッチの一部。>
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