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17.公式サイト出現
99年7月18日、ギラギラした夏。
珍しくヒマになったたまだまさおが、中島陽一の部屋に
遊びに来て、しきりにパソコンを買うように薦めていた。
それに加え、たまだが熱を込めて繰り返し言うのが、「
一秒書房をネットで公開しよう」ということだった。パソ
コンはともかくとして、中島はこちらのアイデアにはまっ
たく気乗りがしなかった。一秒書房の最終的な発表形態は
あくまで本の形だと考えており、ウェブ上に豆絵本のデー
タを乗せることに抵抗を感じていたのである。
たまだの説得工作の甲斐あって、中島がパソコンを入手
したのは2000年5月。そして粘り強く繰り返される「
ホームページ作ろう」の催促に逃げ回ってもいられなくな
り、11月、中島はしぶしぶ一秒書房ホームページ作りの
是非を問うアンケート資料を作り、13名の関係作家に宛
てて郵送した。
その結果、11名がアンケートに応じてくれた。意外に
も(?)関係作家達は協力的で、ホームページ作りに熱意
ある支持を表明してくれた人も何人もいて、もはや後戻り
ができないことがはっきりしてしまった。
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サイトの構成と記述、大まかなデザインを中島が考え、
タグの記述、画像の最適化など、最終データはたまだが作
成する、という分担で作業を開始した。
ところが、たまだは大変多忙なので、いざ始まったホー
ムページ作りがなかなかはかどらない。じれったくなった
中島はHTMLの本を買い、アルバイトを辞めて時間があ
るのをいいことに、たまだに教わりながらデータを作り始
めた。あんなにしぶっていた筈なのに、自分でタグを組ん
でみると、ウェブデザインの面白いこと。2人は相談の末、
豆絵本を読むことのできるページを作ろう、と決意。たま
だの技術を頼みに、すべての本をクイックタイムムービー
に加工した。
2001年6月17日、多くの人々の思いを乗せて、「
一秒書房公式サイト」はたまだのホームページ「T_M_
D Museum」のサブコンテンツとしてネット上にデビ
ューした。
物好きな人々の、熱意の成果である。
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